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山下整骨院・山下鍼灸院

慢性症状には自律神経・中枢神経の見える化を提供
 

院長 山下和彦

(鍼灸師、柔道整復師、健康運動指導士) 

(体育学士 / 教育学修士/博士: 生活科学)

大阪公立大学 都市健康・スポーツ研究センター 客員准教授

練馬区豊玉北4ー2ー12  03-3991-7943 (土・日、祝祭日、平日時間は要相談)

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2026年6月11日 更新

 2026年6月より、脳波計(FM-939)を用いた “脳の興奮状態の検査” を導入します。

 検査に異常が無い慢性症状は、三層構造になっていることがわかっています。

第一層は、筋・骨格・内臓の働きが低下 

第二層は、筋・骨格・内臓の司令塔の自律神経の機能低下

第三層は、自律神経中枢の上位中枢の大脳の誤作動

 

当院は第一層に関しては「K-W検査」によって確認します。

第二層に関しては、「BBCT検査」によって確認します。

第三層に関しては「脳波計」で確認します。

今回新たに 脳波検査 を導入することで、自律神経の上位にある “脳の興奮状態(脳疲労・ストレス反応)” まで可視化できるようになります。

ここでは、第二層の自律神経機能低下について呼吸性洞性不整脈に着目してお話しします。

RSAは大脳の自律神経ネットワークを反映する

RSA(呼吸性心拍変動)=HRVの中核指標であり、その大きさは「大脳の自律神経制御ネットワーク(偏桃体・前帯状皮質・島皮質・前頭前野)」の機能状態を“そのまま反映する”。


つまり、 RSAの大きさ=迷走神経=大脳の調整力という三者は一本の軸でつながっている。

 RSA は「呼吸 × 心拍 × 大脳ネットワーク(前頭前野・前帯状皮質・島皮質・偏桃体)」の同期現象であり、その大きさは大脳の自律神経調整力を定量化した指標である。

以下、当院の臨床モデルと3者の関係を階層構造で整理する。

RSAとな何か(生理学的定義)

・呼吸に伴う心拍歩増減(吸気で上昇、呼気で下降)

心臓迷走神経核を介した副交感神経の拍動ごとの調整

・HRVの中でも「最も中枢性が強い成分」

 Skytioti (2022), Berntson (2021)

ポイント
RSAは単なる末梢反射ではなく、脳幹の呼吸リズム中枢と心臓迷走神経核の同期で生じる。

RSAの大きさ=HRVの中核指標

RSAの振幅は、HRVの中でも以下を最も反映する

  • 迷走神経トーン
  • 動脈圧受容器の感受性
  • 呼吸リズムの安定性
  • 中枢の柔軟性

特に RSA 振幅 は「迷走神経の“瞬間的な反応性”」を最も正確に示す。

大脳(偏桃体・前帯状皮質・島皮質・前頭前野)との関係

 Thayer & Lane の  Model によると、RSAは 大脳の自律神経制御ネットワーク(CAN) の機能を反映する。

CAN(Central Autonomic Network)の主要部位

  • 前頭前野:トップダウン制御、抑制、注意、情動調整
  • 前帯状皮質:エラー検出、ストレス反応、情動調整
  • 島皮質:内受容感覚、身体状態のモニタリング
  • 偏桃体:恐怖・不安・過覚醒の生成
  • 視床下部・脳幹:自律神経の最終出力

このネットワークが迷走神経核を調整して、RSAが生まれる

RSAの大脳と心臓自律神経の関係

【大脳ネットワーク】

前頭前野・前帯状皮質・島皮質・偏桃体(トップダウン制御)

【脳幹】

迷走神経核・呼吸リズム中枢(心臓迷走神経)             

【心臓】

RSA(呼吸性心拍変動)=HRVの中核

RSAが小さいときに起きていること

・前頭前野の抑制力低下

・偏桃体の過活動(不安・恐怖・過覚醒)

・島皮質の過敏化(内臓感覚の過剰モニタリング)

・前帯状皮質のストレス反応亢進

・迷走神経トーン低下

・呼吸リズムの乱れ(胸式・速い呼吸)

以上の結果から発症するのが、機能性ディスペプシア・慢性痛・自律神経失調の典型パターン

深呼吸でRSAが大きくなる理由(中枢可塑性)

Lehrer (2020), Yasuma & Hayano (2021) などの研究より

  • ゆっくりした呼吸は
    呼吸中枢 → 迷走神経核 → 心臓 の同期を最大化
  • 迷走神経の反応性が増す
  • 動脈圧受容器反射 が強化
  • 前頭前野の活動が上昇し、偏桃体の活動が抑制される
  • 結果として
    中枢の可塑性(脳の構造と柔軟性)が高まり、RSAが増大

私が当院の患者の臨床で見ている

「深呼吸でRSAが戻る=中枢過覚醒が鎮まる」

という現象と完全に一致する。

RSAの大きさは、迷走神経の強さではなく、大脳ネットワーク(PFC・ACC・insula・amygdala)がどれだけ心臓を“微細に制御できているか”を示す指標である。

正しい深呼吸によるRSAの正常化が大脳経由で心身の正常化になる

1.正しい深呼吸 → 上行性迷走神経刺激(afferent)→ 大脳

・横隔膜運動

・胸郭のゆっくりした伸展

・呼吸リズムの安定化これらは 迷走神経求心性線維(afferent) を強く刺激し、

→ 孤束核
→ 迷走神経背側核・疑核
→ 視床 → 島皮質 → 前帯状皮質 → 前頭前野

というルートで大脳に上行性入力が入る。

2.大脳の可塑性が働く(前頭前野の活性化)

上行性入力により:

  • 前頭前野が活性化
  • 偏桃体の過活動が抑制
  • 前帯状皮質のストレス反応が低下
  • 島皮質の過敏化が鎮静化

→ 大脳ネットワーク全体の興奮が沈静化

3.大脳からの下行性制御

偏桃体、前帯状皮質、島皮質 の興奮が整うと、下行性に神経伝達

  • 迷走神経核(DMV・NA)への抑制が解除される
  • 迷走神経機能が上昇
  • 呼吸中枢も安定化

 以上のことが、 自律神経中枢(視床下部・脳幹)から全身へ下行性に正常化が伝わる

4.正しい深呼吸がRSAの正常化となり、全身の正常化に連動

 深呼吸は迷走神経求心性入力を介して大脳ネットワークを再調整し、その大脳の鎮静化が下行性に迷走神経核・自律神経中枢を整え、全身の生理機能を正常化する“双方向ループの再構築”である。

 

山下式呼吸法による深呼吸

→(上行性に迷走神経の求心性入力) 

大脳ネットワーク再調整

(前頭前野による前帯状皮質・島皮質・偏桃体の抑制;脳の可塑性)

→ 下行性制御

迷走神経核・自律神経中枢の正常化・安定化

→ 全身の生理機能を正常化

心拍・呼吸・内臓機能・筋緊張・情動

つまり、

深呼吸 → RSA増大 → 大脳鎮静 → 自律神経正常化 → 全身改善

これが、現状の神経科学の見解。

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