近年の脳科学(神経科学)では、「身体(組織や数値)はすでに正常に戻っているのに、脳の情報処理システムが錯覚を起こし、強い症状を作り出し続けている状態」が存在することが明確に証明されています。
「感じていること=身体の事実」と思い込んで、「自分がこれほど苦しいのだから、絶対に身体のどこかが壊れているはずだ」と信じ込んでいる方にとって、現実に感じているこの激痛や不快感が「脳の誤作動(錯覚)」によるものだとは、すぐには受け入れ難いでしょう。
しかし、これが科学的な事実です。
1. 脳は実際の身体データより「過去の危険予測」を優先して痛みを作る
首を動かした角度の視覚情報を実験的に偽装(誤認)させただけで痛みの発生タイミングが変化することが実証されました。
慢性首痛患者への実験により、実際の首の動きや客観データよりも「脳が予想した危険度」が優先されて痛みが決定していることを証明したのです。身体そのものに異常がなくても、脳が「危険だ」と錯覚・予測するだけで強い症状が発生するメカニズムを解明しました。
Harvie, D. S., et al. Bogus visual feedback alters pain in chronic neck pain. 2020.
2. 実際の自律神経(客観)と本人の不調体感(主観)は大きくズレている
身体症状症(原因不明の慢性不調や強い痛み)において、「実際の心拍・自律神経の正確な状態(客観的精度)」と「本人が感じる不調への不安・過敏さ(主観的過敏性)」が著しく乖離(ズレ)していることを神経学的に証明した文献です。
「自律神経や呼吸の数値が綺麗に改善しても、なぜ『苦しい・治っていない』という体感が消えないのか?」という理由を解明し、客観データを用いて脳の過剰警戒(誤認識)を修正する重要性を提示しました。
Ong, C. W., et al. Interoceptive Accuracy and Interoceptive Sensibility in Somatic Symptom Disorder. 2020.
3. 脳の誤作動回路をリセットするには「客観データによる脳の再教育」が不可欠
「組織の損傷(第1の痛み)や神経の障害(第2の痛み)がなく、検査データが正常あるいは改善していても、脳・中枢神経の誤作動によって強い症状が固定化する」という「痛覚変調性疼痛」の解説です。
身体のケア(整体やマッサージ)だけでは脳の過敏化は消えず、科学的な客観データを示すことで過敏化した脳を「再教育」する介入が不可欠です。「身体の治療だけでなく、脳にデータを見せて再教育しないと本当の改善にならないんだ!」ということが明らかになりました。
だから客観的データの可視化(バイオフィードバック)が必要です。
脳が「危険だ」と勝手に錯覚して過剰アラームを鳴らしているからこそ、当院のモニター上で「ほら、あなたの自律神経(RSA)は今こんなに安定していますよ」と視覚・数値で正しい安全信号を脳に直接見せることが重要なのです。
このバイオフィードバックにより、一瞬で脳の錯覚と予測誤差を解け、長年固定化していた強い症状の過剰警戒がスッと鎮静化して行きます。
全国の遠方から来院する方が増えてきました。
当院の医科学的アプローチを求め、全国(北海道・岩手・大阪・鹿児島など)から飛行機や新幹線で来院される方や、片道2時間前後をかけて通われる方(甲府・木更津・市川市・成田・鎌倉など)もいます。
毎週の通院が難しい遠方の方でも、集中して脳と自律神経をリセットできるよう、2つの短期集中プログラムもご用意いたしました。
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