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山下整骨院・山下鍼灸院
体性-自律神経系 生活科学研究所
Institute of Somatic Autonomic Nervous System Life Science
院長 山下和彦 (博士: 生活科学)
大阪公立大学 都市健康・スポーツ研究センター 客員准教授
体育学学士、教育学修士、柔道整復師、鍼灸師、健康運動指導士
2023年11月5日 更新
本書は
深呼吸を見ながら自律神経を整える ことをまとめた書籍です。
これまで進めてきた研究と実践の結果を改善例として掲載しています。
正しい深呼吸は自律神経機能を意識的に高められることから、条件さえ整えば、慢性疾患も改善に方向付けます
これまでに無い
深呼吸・自律神経の書籍です
2023年7月21日出版
当院は、下図に示すように、自律神経機能を①心電図測定、②呼吸測定、③姿勢変換、によって可視化し、体調を確認します。さまざまな症状に対しての改善症例を日本自律神経学会、全日本鍼灸学会、日本体力医学会にて報告、学会雑誌に投稿しています。
安静臥位姿勢での呼吸と深呼吸の呼吸曲線(緑)心拍数(青)の推移です。
深呼吸5回での呼吸曲線は、吸気時に大きく上昇し、呼気時に大きく下降しています。この呼吸曲線と呼応して、意識して大きく呼吸する深呼吸では肺のガス交換(空気の出し入れ)が綺麗な正弦波の様に波が推移していることが解ります。心拍数は吸気時に大きく増加し、呼気時に大きく減少している呼吸性洞性不整脈がよくわかります。呼吸曲線と対応して心拍数の5回の増減が特徴的によくわかります。
しかし、他に示している通常の安静臥位状態では呼吸曲線がバラバラです。これが、患者さんの息苦しさ、落ちつきの無さ、熟睡が出来ない理由です。まさに、自律神経が乱れている証拠です。
意識下の深呼吸では正常な波形に見えますが、無意識の自然呼吸が出来ていない状態です。また、安静時の心拍数が80拍/分で推移しています。一般には、安静臥位心拍数は50拍/分後半から60拍/分前半です。したがって、この患者さんの場合は約20拍/分も増加している状態です。
さらに、深呼吸の最低心拍数が70拍/分後半で、副交感神経抑制の為に心拍数が下げられない状態です(交感神経の亢進ではありません)。したがって、この方はメカニズム鍼治療M6を25分間、1週間に1回による心臓副交感神経の機能を亢進させ、さらに自宅での運動により基礎体力向上から自律神経の正常化を行いました。まず4週間の指導で順調な回復をしていますので、2週間に1回、1か月に1回の通院で状態を確認し、運動維持により服用なしの自己管理によって健康維持を狙います。
当院は、
鍼灸治療が全てではありません。
手技が全てではありません。
電療が全てではありません。
運動は副作用のない治療であるのが世界の潮流です。
Exercise Is Medicine(EIM).
しかし、その患者さんに適した刺激(心地よさ)を心電図・呼吸曲線から自律神経を観察し、刺激に対する反応を確認して適刺激を取捨選択します。
世界の治療・健康の流れは
Exercise Is Medicine
です。
特に痛みの為に運動が困難な場合は
深呼吸、鍼刺激・手技・電療が有効
と思われます。
家庭環境・社会環境による人間関係を主とした環境因子によるストレスが、自律神経(無意識に心身を調整する神経)機能を乱すことが考えられています。
快・不快(痛み)
大脳深層にある偏桃体・島皮質・海馬
の影響により快・不快の症状が生じることがわかっています。自律神経系機能は器質的変化が無くとも快・不快による影響もあり、X線・CT・MRIでの画像診断による異常は現れにくいため、正常範囲内ないし異常と言えるほどの変化は無いために「様子を見ましょう」と言われます。
しかし、fMRIによる機能を診ると明らかな変化が認められる場合もあります。機能異常による不快があります。
(2018年 自律神経学会にて)
鍼灸の明確なガイドラインはありません。しかし、期待できる可能性は秘めています。ただ「鰯の頭も信心から」、「病は気から」だけでは医学になりません。私が大学に在籍し、鍼刺激の臨床研究を継続する理由はここにあります。
そして、独自の見解を発表した臨床応用可能な内容を原著論文として2年間で4本アクセプトされました。根拠を以って施術をしております。
反射性交感神経性ジストロフィー( RSD )は、慢性疼痛のレアなケースである複合性局所疼痛症候群またはカウザルギーとして知られています。典型的なものとしてこれは腕または脚に影響がでます。RSDは多くの場合、骨折や打撲などの損傷や手術、心臓発作、脳卒中後によって起こることもありますが、最初の外傷の痛みや症状とは比例していないこともあります。
反射性交感神経性ジストロフィーの症状には継続的なズキズキする痛み焼け付くような痛みがあります。多くの場合、これらは腕や脚、手足で感じることができます。冷たいものへの感度や何かが触れただけでも痛みを感じるという症状は痛みを感じる患部エリアの腫れと同様によくあるこの病気の症状です。他の視覚的な症状には皮膚の色の変化、表面の感触の変化、または温度の変化があげられます。関節の硬直は、損傷、腫脹または萎縮もまた RSDの症状です。
1. 器官調節のタイプ1 は、中枢神経から発せられる命令 によるもの。
2. 器官調節のタイプ2 は、末梢の感覚受容器から起こる 反射によって内臓器官が調節されるもの。
一般に内臓に異常があると各内臓の情報が皮膚、筋、腱などの緊張や痛みによって反射的に脳へ情報伝達されます。これを体性-自律神経反射といって伝統的な手技療法や鍼灸を含む殆どの物理療法のメカニズムの本質的要素です。
マウスの実験など、動物実験では数多くの研究により鍼刺激の基礎的研究がすすめられていますが、情動に関する要素を除外するために麻酔下で行われています。
人を対象とする実験研究の難しさは情動を考慮しなければならないことです。
自律神経は無意識に心身を調整しています。したがって自律神経が上手く働けない状態になると全身に張り巡らされた神経と各臓器の連絡に不具合が生じて様々な症状が出てきます。
頭痛、肩こり、腰痛、不眠症、肌荒れ、動悸・息切れ、めまい、うつ症状、下痢や便秘、おねしょ、夜泣き、イライラ、脱毛などなど
自律神経機能の不具合は以下の3つです。
1. 脳からの指令が各臓器へ正常に伝わらない場合
2. 各臓器からの情報が脳へ伝わらない場合
3.その両者に不具合がある場合
様々な症状が出た場合、いつもと違った感覚がある場合は、できるだけ早く医師のもとに受診して、臓器自体の器質的変化(形に変化があり機能しない)があるかどうかを検査する必要があります。
器質的変化が無ければ、各臓器の機能低下を検査します。形も正常(X線、CT、MRIなど画像診断)、機能も正常(心電図、血液検査、尿検査など)であれば「異常は見当たらないので様子を診ましょう」などと医師から言われるでしょう。異常が無いにもかかわらず様々な症状がある状態を不定愁訴と言います。病院、医師を変えて受診することも必要です。必ず原因があるはずで、犯人探しは必要です。
1.心身の異常があった際に町医者(身近な地域医療)で診てもらいます。
2.町医者で原因不明な時に総合病院で精密検査です。
3.精密検査でわからなければ大学病院・研究機関で原因を突き止めます。
現代医学は犯人探しとしての診断名(病気)が解らなければ治療法がありません。診断名が決まっても治療法が見つかっていない難病もあります。
しかし、明確な原因が無く、苦痛などで日常生活・社会生活に少なからず支障や不安がある場合、環境でのストレスが原因と考えられます。
心因性由来で身体的機能低下が疑われるようであれば、
自律神経機能を調整する
鍼灸治療が有効
です。
第一選択は器質的変化を疑わなければなりません。
内臓機能は無意識に調節されていますが、自律神経機能を観察する代表格は心臓機能と考えられています。バイタル サイン(生きている証としてのサイン)は血圧、呼吸、脈拍、体温です。ここでは、心電図から観る瞬時心拍数によって自律神経機能を観察する方法について、日本自律神経学会で口頭発表した内容を用いてご説明します。
瞬時心拍数による心臓自律神経評価について、上図で説明します。
一般的に、正常安静時心拍数は、臥位(横になった状態)での心拍数は1分間に50拍/分後半~60拍/分前半、座位で70拍/分です。トップアスリートでボクシング、マラソン、テニスなどの持久的スポーツ種目のトップ選手の心拍数は30拍/分前後です。私に依頼のあったリオ オリンピック 全日本アーチェリー代表選手の心拍数では40拍/分前後で推移していました。身体的にも精神的にも、多少の事では心臓が動揺しないということです。
基本的な心電図による瞬時心拍数の推移を観ますと、この方の場合(上図)は、5分間安静臥位は約60拍/分で3分間推移し、深呼吸時には呼気時に心拍が減少し、吸気時に心拍は増加します。この現象は呼吸性洞性不整脈といって正常な心拍変動ですが、心不全、糖尿病、過緊張では生じません。したがって、自律神経失調の状態ですが、機能不全でなく弁膜症など器質的障害に陥っている確認をしてから機能改善の手法をおこなわないと治療効果はありません。
ここは非常に重要な点で、鍼刺激は反射的な物理反応を心電図に現れるものです。鍼刺激は自律神経機能の亢進が期待できます。興奮した心臓機能の抑制に関与し、心拍数の減少、血圧の安定(高めの方、低めの方が正常な数値に導きます)が期待できますが、器質的変化にまで及ぶ弁膜症による心不全患者には、鍼刺激の反応が現れません。したがって、循環器内科に受診していない患者様が鍼施術をして心電図変化が顕著に出現しない場合は、明確な心不全の自覚症状が無くても出来る限り早期に循環器内科の受診が必要です。時機を逸すると命取りになります。
また、呼吸における呼気時は心臓副交感神経機能を反映し、吸気時は心臓交感神経機能を反映しているといわれています。(のちに詳説)
上記は全国大会9年間連続出場していた学校の9年目のレギュラー中心とする10名の中の2例を示しています。週に2回の鍼施術を4週間おこった初回と第4週目の心電図から観た瞬時心拍数です。
初回、深呼吸における呼気時心拍数は平均心拍数以上に減少しています。つまり通常(平均心拍数)は、下げられるレベル(深呼吸の呼気時心拍数)まで下げられる可能性があります。
第4週目の深呼吸における呼気時心拍数は平均心拍より減少することが無くなりました。したがって、本来あるべき副交感神経機能の状態まで心拍を下げています。
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