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山下整骨院・山下鍼灸院
体性-自律神経系 生活科学研究所
 

Institute of  Somatic Autonomic Nervous System Life Science

院長 山下和彦(博士: 生活科学/大阪市立大学)

練馬区豊玉北4ー2ー12 AM9:30~PM6:00(月~金;土・日、祝祭日は要相談)

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03-3991-7943

 

 

 

 

 

 

 

          深呼吸と瞬時心拍数

2025年4月23日 更新

 基礎体力の低下(運動不足、高齢、疲労蓄積など)により自律神経機能が低下すると安静時の心拍数が増加、呼吸が浅くなりします。

 逆に、運動や各種疾病の罹患は自律神経機能を高めて心身を正常に戻そうとします。

 自律神経機能は「循環・呼吸」と密接な関係がありますから、座位と臥位(がい;横になった状態)による姿勢変換にともなう「深呼吸と瞬時心拍数」の測定により心臓自律神経機能の見える化が可能となります。慢性症状の方が回復しない理由が姿勢変換と深呼吸を確認することで簡易にわかります

 

 医療機関による薬の治療で不満足な方が当院で短期的に改善回復する理由は、慢性症状に対しての「鍼灸、手技、運動、電気」各種刺激を瞬時心拍数の推移で観察し、その方にとってどんな刺激によって瞬時心拍数が減少してリラックスするかを確認しているからです。

 さらに、当院は鍼灸、手技、運動、電気」の複合的な組み合わせにより総合的な刺激により自律神経機能を高める手法を採用しています。

 単独の刺激では改善回復させようとはしていないことが当院の最大の特徴です。1~3回以内に改善回復する方が少なくないのはこのためです。

 「自律神経機能の見える化」は当院独自の取り組みで、各種学会で発表して、専門医、研究者からご指摘を受けて進化しています。

 

 心臓は常に一定の鼓動ではなく「ゆらぎ」があります。一拍ごとに早くなったり、遅くなったりするのが正常です。

 特に、心臓の動きは呼吸に影響を受けます。 この「ゆらぎ」が心拍変動です。

 高血圧症、糖尿病の他、自律神経失調症による様々な症状の方は、症状の程度により心拍変動が起こりません。

 

 下の図は、健常者心電図の模式図です。心電図の波形にはそれぞれ働きが異なる波があります。

 P波はペースメーカーとして心臓が動くための最初の興奮を示す波です。

 QRS波のR波は心臓から全身に血液を送る左心室、全身から心臓に戻ってきた血液を肺に送って酸素を補充するための右心室の働きを示しています。

 R波とR波の間隔が1分間に何回あるかが心拍数です。

脈拍数は、心臓の鼓動を手首の橈骨動脈、首の頸動脈などで感知する場合の言い方です。

 

 R-R間隔が1秒間で60秒間全く同じ様に鼓動したとすると60拍/分となります。

 次のR-R間隔が0.5秒間で全く同じ様に鼓動したとすると120拍/分となります。

 心臓の拍動は常に多少の「ゆらぎ」があることを心拍変動と言いますが、1回毎の心拍数が1分間継続した場合の心拍数を瞬時心拍数といいます。

 下の図は、健常者ではR-R間隔が一定でないことを示しています。また、深呼吸によって、吸気時に心拍が増加(R-R間隔の短縮)して、呼気時に心拍が減少(R-R間隔の延長)する現象を呼吸性洞性不整脈と言います。呼吸によってペースメーカーである洞結節からの電気信号が全く同じように発信しないことを意味します。

 30拍/分以下を徐脈(じょみゃく)といって、脈が遅すぎると全身に血液が送られないので失神して倒れることがあります。

そこでペースメーカー(機械;デバイス)を胸に植え込みます。


健常者では、1拍ごとのR-R間隔は全てが異なります
1回ごとのR-R間隔を1分間に換算した心拍数が
瞬時心拍数です
 

 深呼吸の様に大きく息を吸おうとしても、肋骨が邪魔をして肺はある一定以上大きく膨らみません。ある箱に、箱より大きなゴム風船を入れて空気を入れても箱以上には膨らみません。しかし、肺の底にある横隔膜が伸びると、下方に肺は膨らみます。箱に入れた箱より大きな風船に空気を入れていった際、箱の底が抜けていたら風船は箱より大きく膨らみます。深呼吸とは、横隔膜を使って大きくガス交換をすることを意味します。

 横隔と言ってもほとんどが筋肉 (左図赤い部分:身体の断面図)です。マラソン、ボクシング、水泳などの持久性スポーツ選手は横隔膜の柔軟性があり、伸び縮みがしやすいと正しく深呼吸が出来るので、運動不足の方よりもリラックスしやすくなる人です。

 逆に、横隔膜が硬く上手に使えないと、呼吸は浅く、心拍数も高くなりやすくなります。

 

 運動により心身がリラックスできる理由の一つは、横隔膜が柔らかいので肺が大きく動かせることでガス交換が出来ることから息を大きく吐くことで副交感神経機能を高めることが出来ることを意味します。

 深呼吸の出来ない人は基礎体力低下、運動不足も一因です。

 激しい運動をしなくでもヨガなどの呼吸法とストレッチを組み合わせる運動でも心身がリラックスできる理由は、横隔膜が柔らかくなるからです。

上記のグラフの縦軸は心拍数、横軸は時間です。
深呼吸5回(赤枠)をおこなった心拍変動を示したグラフです。

 深呼吸の方法を意識的に変えただけで、心拍数が調節できるのです。

1. 深呼吸の呼気時心拍数が一呼吸ごとに減少してます。  

 これが呼吸性洞性不整脈です。

 これは心臓副交感神経の機能亢進を表わします。

 しかし、ひと呼吸ごとに呼気時最小瞬時心拍数が増加し

 ていることが確認できます。これは、心臓交感神経の機

 能の亢進です。

 りきみ”があると精神的興奮と筋収縮にともなって、

 瞬時心拍数が徐々に増加していきます。

 

2. 次の深呼吸は、呼気時に”りきみ”が無いように指示し

 た深呼吸です。呼気時最小瞬時心拍数が一定です。

 ガス交換は多いほど心拍は減少しますので”りきみ”な

 く大きく息を吐いていることが推察されます。

 

3. 3回目の深呼吸は最小呼気時瞬時心拍数にバラツキがあ

 り、多少のりきみが推察されます。

 

4. ”りきみ”が無いように大きく息を吐く深呼吸を指示し

 ましました。深呼吸のやり方に慣れてきて、徐々に呼気

 時瞬時心拍数が減少しています。

  

深呼吸は、自分の意思で自律神経機能を整える手法です。

Mind-Body Conection Test
臥位、臥位深呼吸、臥位、立位へ体位変換、立位深呼吸、立位
における瞬時心拍数の推移

通常は、MBCT座位

スポーツ選手など身体活動の多い方は、MBCT立位

 Mind-Body Conection Testは、臥位と立位もしくは座位の姿勢変換と深呼吸による心臓自律神経の機能を確認する検査です。評価は瞬時心拍数、心拍変動周波数解析、呼吸性洞性不整脈によって行いますが、ここでは瞬時心拍数の評価をお話しします。

 ヒトの心身状態は、外部環境および内部環境が変化しても無意識に一定の状態に保たねばなりません。夏は汗をかいて身体を冷やし、酷寒の環境では鳥肌が立ち、身体を震わせて体温を下がらない様に反応します。温度調節だけでなく、睡眠、食欲、排泄など生命維持の機能は自律神経により調節されています。

 こうした自律神経は地域性があり、各内臓、筋にも交感神経と副交感神経が分布しています。私は心電図から心臓自律神経を計測できることに着目して、慢性疼痛、筋緊張を含めた心身の異常を評価して、施術効果の経過を観察しています。 

座位・深呼吸・座位の
瞬時心拍数の推移

  上記は「座位5分間、深呼吸6回(4秒吸気、6秒呼気)、深呼吸後の安静座位」の推移を測定した健常者の一例。

 健常者の臥位は50bpm後半~60前半bpm

 最初の座位は、67.3bpm, HF22.896m2, LF1.293

 深呼吸時は、吸気最高HR 81.5bpm, 呼気最低HR 59.5bpm       HF301.243, LF0.397

 深呼吸後座位は、65.1bpm, HF46.649m2, LF0.397

 

 深呼吸前後で心拍数が2.2bpm減少、HF心臓副交感神経は23.753m2機能亢進LF心臓交感神経は0.896機能抑制した。

座位・深呼吸・座位の
瞬時心拍数の推移

 上記は、同様のプロトコルですが、深呼吸6回(4秒吸気、6秒呼気)の際、腹式呼吸にて腹部を膨らませた状態を維持したまま深呼吸を実施。

 

健常者の臥位は50bpm後半~60前半bpm

 最初の座位は、66.7bpmHF505.626m2LF0.686

 深呼吸時は、吸気最高HR 83.3bpm, 呼気最低HR 62.6bpm       HF3759.13, LF0.468

 深呼吸後座位は、66.1bpmHF2059.67m2LF2.450

 

 深呼吸前後で心拍数が0.6bpm減少、HF心臓副交感神経は1554.044m2(407%)機能亢進LF心臓交感神経は0.896(357%)機能亢進した。 

座位・深呼吸・座位の
瞬時心拍数の推移

 上記は、同様のプロトコルですが、深呼吸6回(4秒吸気、6秒呼気)の際、腹式呼吸にて腹部をへこませて腹筋に最大の力を入れた状態を維持したまま深呼吸を実施。

 

健常者の臥位は50bpm後半~60前半bpm

 最初の座位は、66.7bpmHF505.626m2LF0.686

 深呼吸時は、吸気最高HR 83.3bpm, 呼気最低HR 62.6bpm       HF3759.13, LF0.468

 深呼吸後座位は、66.1bpmHF2059.67m2LF2.450

 

 深呼吸前後で心拍数が0.6bpm減少、HF心臓副交感神経は1554.044m2(407%)機能亢進LF心臓交感神経は0.896(357%)機能亢進した。 

 「りきみ」があると、心拍数の呼気時瞬時心拍数が減少しないことが解ります。 

本書は

深呼吸を見ながら自律神経を整える ことをまとめた書籍です。

 これまで研究されてきた実験、当院に来院された改善例です。

 

 正しい深呼吸自律神経機能を意識的に高められることから、条件さえ整えば、慢性疾患も改善します。

   

 これまでに無い

深呼吸・自律神経の書籍です

 

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