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山下整骨院・山下鍼灸院
体性-自律神経系 生活科学研究所
 

Institute of  Somatic Autonomic Nervous System Life Science

院長 山下和彦(博士: 生活科学/大阪市立大学)

練馬区豊玉北4ー2ー12 AM9:30~PM6:00(月~金;土・日、祝祭日は要相談)

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     うつ病と鍼灸の関係

1.うつ病の診断基準

米国精神医学会による精神障害診断統計マニュアル(DSM--TR)に基づくうつ病の診断基準があります。全9項目中5項目以上を満たし、2週間以上続いている場合にうつ病と診断されます。しかし、症状には日常的によく見られる身体症状があるため、うつ病の評価を難しくしています。

 そこで、これらの身体症状によるうつ病評価の混乱を避けるために、これまでにも様な診断基準が考案され、検討されてきました。

1.    うつ病の原因

 2-1. 脆弱-ストレスモデル

 これまでの分類は、身体的原因精神的原因に大きく分けられていました。身体的原因は、脳の機能的気質的障害による外因性、遺伝的要素や何らかの身体的基礎の関与が考えられる内因性です。

 一方、精神的原因は、心因性ともいわれ、心理的・環境的要因です。

 しかし、殆どの精神障害は様々な要素が重なり合って引き起こされるものであり、遺伝と環境要素の両方がその発症に影響されています。

 遺伝や脳の構造、脳内物質などの身体的要素は確かに精神障害を発症させる上で関連はありますが、ただ「脆弱性」すなわち「より発症させやすい性質」を作り上げているだけで、それのみで精神障害を発症させることはほとんどないと考えられています。

 環境的要素が強い精神障害として、外傷性ストレス障害(PTSD)があります。しかし、同じ出来事を体験した全ての人がPTSDを発症するわけではありません。

 そこで個人の素因の脆弱性が関与してくることになります。

 

2-2. 性格的要因

 ある性格傾向にうつ病発症の傾向が高いことは以前から良く知られています。

 我が国では、下田が躁うつ病前性格として「熱中性、徹底性、几帳面、真面目、強い責任感」等を特徴とする執着気質を提唱している。なかでも、うつ病は「几帳面、真面目、強い責任感」がより影響すると考えます。

 2-3. 心理・社会的要因

   状況要因あるいは心理・社会的要因もうつ病の発症  

  要として非常に重要です。強いストレスやネガティ 

  ブな要素を持つ出来事(死別、倒産、失職、近隣との

  人間関係など)とうつ病発症との関係は多くの研究報告

  がされています。

 2-4. 脳の神経科学的変化

  これまで、脳内におけるノルアドレナリンやセロトニ 

 ンなどのアミンと言われる神経伝達物質の作用が低下し 

 ているというアミン代謝障害仮説(モノアミン仮説)がうつ

 病の原因として提唱されてきました。

  この背景には、アミンを枯渇させる作用のある降圧薬 

 のレセルピンがうつ病を引き起こし、一方、シナプス間

 隙で神経伝達物質の濃度を増加させる薬物(抗うつ薬)がう

 つ病に特異的な効果を持つと言った臨床的な事実があり 

 ます。 

  また、ある抗うつ薬の慢性投与により、ノルアドレナ

 リンβ受容体の感受性低下が生じることが明らかになっ

 たことから、脳内の神経細胞のシナプス後膜に存在する

 受容体の感受性が高くなっているためにうつ病になると

 いう受容体感受性亢進仮説が提唱されました。 

  

  近年では、うつ病発症にBDNFという脳由来神経栄養 

 因子の発言を亢進させている報告があり、ストレスによ 

 る神経細胞障害仮説が指摘されています。

  うつ病患者ではBDNFが健常者コントロール群と比較

 して低値であるエビデンスが示されました。また、抗う

 つ薬治療後にBDNF値が優位に高くなることが示されま

 した。

  うつ病を有する患者では、血清BDNF値の以上な低値

 がみられること、ならびに抗うつ薬治療の経過に伴ってB

 DNFの上昇がみられることが強く示唆され、BDNFの測

 定は精神障害のマーカーとして、あるいは抗うつ薬の有

 効性の予測因子として利用できる可能性が指摘されてい

 ます。

 3. うつ病の脳機能

 3-1.    脳機能画像

 PET,  SPECT,  fMRI研究などにより、前頭前野背外側領域、前頭前野内側領域においても脳血流や当代謝の異常がみられます。幼少期の心的外傷体験が海馬の萎縮と密接な関係があり、これが大うつ病の発症脆弱性にも関連する可能性が報告されています。脳の機能画像解析を積み重ねることは、うつ病の病態解明において重要と思われ、今後さらなる展開が期待されています。

 

 3-2.  脳血流

  近赤外線スぺクトロスコピィ(near-infrared spectroー  

 scopy: NIRS)は近年、精神医学領域の様々な疾患に対す

 る新しい脳機能評価法として注目されてきました。うつ  

 病患者のNIRS研究においては、酸素化ヘモグロビンの増

 大が健常者に比べて少ないという複数の報告があります

 

4.  おわりに

 鍼、灸、冷却、手技による物理刺激は、うつ症状、うつ病に有用である報告が散見されます。その根拠は、鍼刺激による脳内血流増加の画像結果、臨床報告による回復結果があります。

 しかし、まだまだ、エビデンスの欠如により医療の範ちゅうではなく医療類似行為に甘んじている現状です。

 私は今後も当院での回復した臨床結果を各学会で報告すると共に、その成績を基礎研究により証明していくことを進めて参ります。

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