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山下整骨院・山下鍼灸院
体性-自律神経系 生活科学研究所
Institute of Somatic Autonomic Nervous System Life Science
院長 山下和彦(博士: 生活科学/大阪市立大学)
練馬区豊玉北4ー2ー12 AM9:30~PM6:00(月~金;土・日、祝祭日は要相談)
2025年3月26日 更新
日本高血圧学会の見解
高血圧治療の目的は、血圧の数値を正常化することではありません。高血圧状態の持続によって引き起こされる脳心血管疾患の発症、増悪・再発の抑制とともに、これらの原因による死亡を減少させること、また、高血圧者がより健康で高いQOLを保った日常生活ができるように支援することです。
降圧治療のメタ解析によると、収縮期血圧10mmHgまたは拡張期血圧5mmHgの低下により、発症リスクは、心血管が原因となる疾患で約20%、脳卒中で30~40%、冠動脈疾患で約20%、心不全で約40%、全死亡で10~15%、それぞれ減少することが明らかにされています。
これまでの降圧治療の臨床試験は高リスク患者を対象にしていましたが、若年者や中・壮年のうち、低・中等度リスク患者では、絶対リスクの減少が少ないため、短期間では治療による脳心血管疾患の抑制効果は現れにくいという臨床報告があります。
臨床試験では、より多くの対象者やより長期間にわたる観察が必要になるため、低・中等度リスク高血圧に対するエビデンスは限られます。
しかし、低・中等度リスクの対象者に対しても、降圧により脳心血管疾患の相対リスクは同様に減少するため、降圧治療の必要性は示唆される。低リスク高血圧における降圧治療は、生活習慣の修正/非薬物療法を基本として、薬物療法においては費用対効果を考慮する必要があります。このような状況から130mmgHg以下 / 80mmgHg以下を目的とする飲料水のコマーシャルが登場したわけです。
拡張期高血圧の特徴は、肥満と関係があります。ヒトの全血液量は体重の1/13と言われます。つまり、肥満の人は血液量が多いと言うことです。血液が多ければ多いほど、心臓から圧力を高めて末端の細胞まで血液を送らなければなりません。これが、肥満の方に高血圧が多い理由です。だから、心臓に負担となり、心不全も増えるのです。
また、肥満と血管収縮とは負の相関が認められ、糖尿病A1cともやや関係があるとも言われています。
また、HR増加は1回拍出量の低下にも関連するため、末梢血管収縮は交感神経の機能亢進と関係すると考えられます。生活習慣との関連は、肥満防止も含めて運動が推奨され、減塩は必須です。
なぜ減塩なのか!
塩分1g摂取は、浸透圧の関係で身体は一定の塩分濃度を維持する為に水分を必要とします。その量は1gに対して水が200~300㏄と言われます。
実は、ラーメン1杯の塩分は5g以上と言われます。 したがって、いくら美味しいからと言って汁まで全部飲み干すと5g×200~300㏄=1~1.5Lの水が身体に貯留することになり「むくみ」が生じます。結果的に血圧に影響を及ぼすことになるのです。
高血圧の病態について、末梢血管から大血管の障害になるか、大血管から抹消の血管障害になるか、もしくは両者が同時に生じるかは、器質的な欠陥の硬さの問題か、ストレスなどによる機能的な問題かの両者が疑われるが明確にはなっていません。
薬剤に関しては、中国で230万人の調査を行った報告で、β遮断剤が第一選択でなく、血管抵抗の改善を第一と考えるためにCa拮抗薬による血管抵抗の改善が有用であると言う報告があります。
手技、運動によっても自律神経機能が高まるので、血管抵抗性の改善は可能です。しかし、運動が嫌いな人、他人に肌を触られるのが嫌な人は、運動や手技は不向きでしょう。嫌なことをすること自体は自律神経に悪いストレスを加えることになります。
積極的、前向きに運動、手技をチャレンジしたいという人の方が効果は出ます。