西武池袋線練馬駅から徒歩7分、桜台駅から徒歩4分
公式サイト
山下整骨院・山下鍼灸院
体性-自律神経系 生活科学研究所
Institute of Somatic Autonomic Nervous System Life Science
院長 山下和彦(博士: 生活科学/大阪市立大学)
練馬区豊玉北4ー2ー12 AM9:30~PM6:00(月~金;土・日、祝祭日は要相談)
2025年6月4日 更新
不眠や睡眠障害は、自律神経の乱れによって引き起こされることがあります。しかし、うつ病や不安障害、パニック障害などの精神的な病気が原因で発症することもあります。
同じ症状でも、原因となる病気が異なる場合があります。
逆に、異なる症状でも、根本の病気が同じ場合もあります。
症状だけで判断せず原因をしっかり見極めることが大切です。
全日本鍼灸学会宮城大会での「うつ症状としての睡眠障害に対する症状良好になった症例」の報告です
「不眠・睡眠障害」と医療機関で診断・治療をうけても期待通りの結果が得られず、当院で自律神経機能を改善させる治療で効果が得られた改善症例をご紹介いたします。
2018年;二人暮らしの母親を介護していたが100歳で他界して以来、体調に変化が発症し始めた。
2019年;突然夜中の動悸から不眠が断続的に発症。
近隣医科で自律神経失調症と診断され、薬物ではなく運動を勧められたが症状不変。
2024年2月;「自律神経・練馬」で検索して当院を選択されて来院。
MBCT(心臓自律神経機能検査)を心臓副交感神経機能を高める鍼治療(メカニズム鍼治療M6+首・肩の軽度手技)を25分間。
その後、施術効果の確認のためにMBCTを再度計測。
主訴「不眠・動悸」の方が、施術開始5分ほどからいびきをかいて眠り始める。心拍も減少し、副交感神経機能の高まりが数値からも確認できた。
しかし、深呼吸が深呼吸になっていなかったので、次回は、同様の鍼治療+手技と共に深呼吸の確認、深呼吸の訓練をする予定。約5年間を不眠で悩んでいた方が当院で眠りはじめた速攻で効果の得られた症例です。
睡眠と自律神経の関係について
1. 入眠時の自律神経の変化
眠りに入る前には、自律神経の活動が変化し、脳波の変化よりも先にその影響が現れます。
具体的には、 副交感神経の働きを示すHF値が約10分ほどで上昇 し、呼吸のリズムが変化することで 呼吸性洞性不整脈 が発生します。
当院の メカニズム鍼治療や手技による施術 を受けることで、 施術後約10分で入眠する方も少なくありません。これは、 心臓の副交感神経機能が高まることで、よりスムーズな入眠が促される ためです。
また、睡眠障害の改善に向けた症例報告を2024年6月に予定しています。今後、より詳細な情報をご提供できるでしょう。
当院では心臓副交感神経機能を高めるための様々な手法をご用意しており、変化が見られない方に対しても適切なアプローチを行います。
2. 睡眠中の自律神経の働き
睡眠中は、交感神経の働きが低下し 副交感神経が優位になりますが、昼間よりも両者ともに機能が低下 しています。
3. 睡眠障害の改善に向けたアプローチ
睡眠障害は、 自律神経のバランスが崩れ、サーカディアンリズムが乱れることで起こる ため、これを正常化することが改善の鍵となります。
そのため、当院では薬物療法だけでなく、鍼灸、手技、運動(深呼吸を含む)、電気療法(振動含む)など、個々の症状に合わせた組み合わせ による治療を提案しています。
改善のポイントは 「快適さ(快)」を感じること。その方にとって 心地よく続けられる方法を選ぶことが、最も効果的な改善につながります。
もし、 睡眠の質が悪く、どんな治療を試しても変化がないと感じている方がいれば、一度ご相談ください。当院では、様々な手法を用意し、あなたに合ったアプローチで改善をサポートします。
睡眠の前半では 心拍数が1日の最低レベルまで減少し、血圧の低下、消化器系の活動の減少 などが見られます。
しかし、 REM睡眠(夢を見る段階)では、心拍数が10拍/分ほど上昇 し、心拍・呼吸・血圧が不安定になります。この時間帯は 発汗や体温調節機能がほぼ働かず、外部の環境音の影響を受けやすくなるため、途中で目が覚めることもあります。
通常、 迷走神経の働きはNon-REM睡眠で最も高まり、副交感神経が優位になります。そして、REM睡眠になると 交感神経が高まり、昼間の覚醒時に近い状態へと変化 します。
このような 自律神経の周期的な変動(サーカディアンリズム)が正常に保たれているかどうかが、睡眠の質に大きく影響します。
「睡眠障害に対する鍼治療の有効性について」と題して2024年第73回全日本鍼灸学会学術大会 宮城大会発表予定です。
【目的】メカニズム鍼治療による心臓副交感神経の機能亢進が睡眠障害に対する有効性についての症例報告です。
【症例】症例は、62歳女性。
【経過・所見】56歳の時に一人息子が自分の思いと異なる大学に入学して以来、一人暮らしとなり不眠症状が発症した。61歳8月に辞職、10月から2回/週でシルバー人材での仕事を再開した。12月に良性の卵巣嚢腫が発見され経過観察中となってから入眠障害、中途覚醒が継続するようになる。近隣医科に受診し「うつ病」と診断されて治療継続したが症状不変にて転院し、他院にて「適応障害」と診断されたが症状不変のため、整体、鍼灸、気功を継続したが症状不変のため当院に来院した。
【現病歴】やる気が出ない。入眠障害、中途覚醒。
【方法】鍼刺激による自律神経の機能亢進を実験的に明らかにした刺鍼法を臨床応用して開発されたメカニズム鍼治療M6を用いた。心臓副交感神経機能を亢進させる目的とした刺鍼法とした、左右の合谷―孔最、足三里―三陰交へ1Hzの鍼通電療法、長径40ミリ直径0.18ミリ腹部へは置鍼に巨闕、中脘、水分、盲兪、天枢、梁門、巨骨へ長径40ミリ直径0.14ミリ、共に25分間である。
【治療効果の評価法】他覚症状評価として、臥位、座位ならびに両姿勢の深呼吸による心拍変動および呼吸性洞性不整脈により心身連関テストと称する心臓自律神経機能を評価しました。
【治療・経過】メカニズム鍼治療M6を用いて、心臓副交感神経の機能亢進を行いました。鍼治療の評価は自覚症状の他、他覚的には心身連関テストにより心拍変動ならびに呼吸性洞性不整脈を観察し、周波数解析により心臓副交感神経機能の亢進が認められました。
【考察】メカニズム鍼治療M6は睡眠障害に対して他覚的な心電図、呼吸測定から観察する心臓自律神経の機能亢進から有効性が示唆されました。
睡眠障害・適応障害の方の鍼治療前MBCT
上記のグラフの違いは一目でおわかりでしょう。鍼治療直後の心拍数、呼吸の大きさの違いに気づいたと思います。
この定性的違いを定量化した数値にして下の表にしました。睡眠障害、適応障害で診療内科の服薬継続で症状不変の方が、当院の初回の鍼治療と手技で施術中に眠ってしまった方の結果です。
心電図による心拍変動、呼吸曲線から呼吸性洞性不整脈による心臓自律神経機能検査の結果、鍼刺激前後の比較により、鍼刺激後には心拍数が臥位および座位で減少し、呼吸が大きくなり、明らかな心臓副交感神経機能の高まりが認められました。
睡眠障害の方が施術中にいびきをかいて眠っていました。
症例は、徐々に増加しています。
医科との併用で、相乗効果が期待できます。