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山下整骨院・山下鍼灸院
体性-自律神経系 生活科学研究所
Institute of Somatic Autonomic Nervous System Life Science
院長 山下和彦(博士: 生活科学/大阪市立大学)
練馬区豊玉北4ー2ー12 AM9:30~PM6:00(月~金;土・日、祝祭日は要相談)
2025年8月15日 更新
ブルガダ症候群は、夜間・安静時・食後などの副交感神経機能が優位なタイミングで心室細動(VF)が起こり、突然死につながる遺伝性の症候群です。
心筋の電気的活動が副交感神経機能の有意になったタイミングで自律神経機能全体のバランスが崩れることによって、心機能が不安定になり、突然死につながる重篤な症候群です。
鍼灸による物理刺激は、高いストレス環境下で生じる心拍数増加、高血圧もしくは高血糖が併発している方であっても、副交感神経機能を高めることで心身をリラックスさせる手法です。
したがって、ブルガダ症候群に対して鍼灸・深呼吸を用いることは、直接的に副交感神経機能を高めて心拍数を減少させることになり、突然死を誘発させかねない手法ですから医師に相談なく鍼灸施術をすることは絶対禁忌です。
ブルガダ症候群では、どれだけ副交感神経機能が高まっているかを検査し、物理刺激による心電図の推移を観察し、心機能を正しく評価しながら施術しなければなりません。
当院では、心疾患もしくは心不全のリスクのある高血圧、糖尿病などを併発している方々は心電図・呼吸測定による自律神経機能検査ならびに施術中を通して心電図計測しながら施術することを前提としています。
この様に、詳細に検査をして、担当医との相談のうえに施術をし、その結果を日本自律神経学会、全日本鍼灸学会、日本体力医学会で症例報告をする鍼灸院は全国にも極めて少ないでしょう。
「何でもかんでも鍼灸が有用である!」、「何でもかんでも手技が有用である!」といった、根拠のない誤った情報にはくれぐれもご注意ください。
既に、鍼灸院のホームページには「医科との併用で鍼灸施術の継続がブルガタ症候群の発作を減少させた。」と掲載されている医科学的に根拠のない誇大広告を発見してしまいました。
医科学的根拠のない、偶然改善した1症例報告を「鍼灸で改善した」と、極めて危険な表現です。医師の了解を得ずに、ブルガダ症候群の方が鍼灸を受けることは非常に危険ですのでご注意ください。
当院では、担当医とご相談しながら、来院された方に丁寧なご説明をして、満足いく日常生活を送れるようにご対応致します。
日本体力医学会に発表予定の症例
当院でのブルガダ症候群に対する施術方針
当院の自律神経機能検査のHRVパターンの要点
1.臥位HRが50bpm台で推移
2.座位HRが70bpm以下で推移
3.LH/HFが2.0以上である(臥位・座位ともに)
解釈のポイント
1.通常、交感神経機能が有意であればHRは増加傾向である。
2.しかし、HRが臥位で50bpm台、座位でも70bpm以下という
のは副交感神経機能が亢進しているように見える。
3.にもかかわらず、LF/HF比が2.0以上ということは、交感神
経機能が相対的に亢進していることを示唆している。
4.LF/HF比が1.0以下でないことは、副交感神経機能が著しく
有意でないと判断できる。
5.つまり、HRが低いにもかかわらず、LF/HFが高いというこ
とは副交感神経機能の過剰な亢進がないと考えられる。この
点を考慮して運動機能を高め、基礎体力向上・維持すること
が自律神経機能のバランスを整えることになり、ブルガダ症
候群、高血圧、逆流性食道炎を改善させていくことが考えら
れる。
*ブルガダ症候群は、夜間・安静時・食後の副交感神経機能亢進が心室細動に連動して突然死を誘発することが解っている。
*そのため、副交感神経機能が過剰に亢進する鍼灸・深呼吸は禁止し、ストレッチ運動などの軽度運動による自律神経機能全体のバランスを高める手法を選択することが妥当であると思われる。
症例1.
53歳、男性、身長171.9㎝、体重65.3㎏
2024年4月:実弟、突然死。原因不明。
2010年9月:ブルガダ症候群と診断されて埋め込み除細動器装着
2020年10月:電車に飛び乗ろうと走って心臓に激痛
医療機関で埋め込み式除細動器の設定を変える。
それ以降は、現在(2025年8月)まで支障なし。
2022年 :逆流性食道炎(現在は小康状態)
2023年 :150~160/90~100の血圧のためCa拮抗薬を処方
ブルガタ症候群と診断されて、即入院から除細動器埋め込み術を
された方のMBCT(自律神経機能検査の結果)
自律神経機能検査(MBCT: Mind Body Connection Test)
1.臥位5分間
HR58.3bpm、HF11.9ms²、LF/HF2.1、LF25.1ms²
2.座位5分間
HR68.4bpm、HF5.8ms²、LF/HF2.6,LF15.0ms²
3.臥位深呼吸HR
Max. : 62.1bpm、Min. : 51.7bpm
4.座位深呼吸HR
Max. : 78.8bpm、Min. : 62.1bpm