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山下整骨院・山下鍼灸院
体性-自律神経系 生活科学研究所
 

Institute of  Somatic Autonomic Nervous System Life Science

院長 山下和彦(博士: 生活科学/大阪市立大学)

練馬区豊玉北4ー2ー12 AM9:30~PM6:00(月~金;土・日、祝祭日は要相談)

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           日本自律神経学会 
            名古屋市
                          2025, 10/24, 25

 日本自律神経学会で発表した内容です。

1.よろしくお願い致します。

2.COIはありません。

3.高血圧は交感神経機能亢進および副交感神経機能抑制といった自律神経機能の不均衡が病態形成に深く関与していることが示唆されています。

4.また、各種エクササイズ、鍼灸刺激、深呼吸などの介入は、自律神経機能に影響を及ぼすことが、心拍変動や呼吸性洞性不整脈を指標とした研究によって報告されています。

5.今回は、本態性高血圧症に対する鍼通電療法の一例として、本学会で発表した内容に関して新たな知見を

得たため発表します。

6.症例は、当初、55歳男性、服薬中も収縮期血圧150mmHg以上、拡張期血圧90mmHgが散見されました。

 身長166.1㎝、体重79.7㎏、BMI28.9(肥満度1)、喫煙なし、通常勤務は座位での対面サービス業、定期的

運動習慣なし、15年間3剤服用も血圧に著明な変化なく鍼灸を希望されました。

7.服薬状況は、β遮断剤終了、Ca拮抗薬半減、ARB半減しましたが、その後も血圧に顕著な改善は認められ

ませんでした。

8.鍼施術は、スライドに示すように、西條らによる副交感神経機能を亢進させる手法を25分間、週に一回を

目安として定期的に実施しました。

9.今回の目的は、薬物治療に併用する鍼施術を変更すると共に、運動習慣の無い対象者に対して日常的な自

己管理手段として深呼吸を導入することによって、高血圧症に対する影響を検討しました。

10. 鍼施術は、スライドに示すように、西條らによる交感神経機能を抑制する手法と共にストレッチ運動を加

え、日常の深呼吸の手法を呼吸トレーニングとして実施し、日常的に深呼吸を行うことを指導しました。

11. 実際のプロトコルです。

12. 心電図・呼吸測定は、施術中は心電図のみ、深呼吸トレーニングは両者をスライドの様に測定しました。

13. 症状良好時の施術における瞬時心拍数の推移をグラフにしました。施術前後での青枠の安静臥位5分間は

60bpmを下回って、赤枠の深呼吸5回における呼気時最小心拍数が施術後ではより減少していることが解り

ます。この変化は、副交感神経機能の亢進を示唆する生理的反応と考えられます。

14. 症状不安定な時の施術における瞬時心拍数の推移をグラフにしました。施術前後の青枠の安静時臥位5

 間の心拍数は施術前で平均84.5bpm、施術後で平均74.6bpmと高値でしたが、施術後の深呼吸最小呼気時瞬

時心拍数は60bpm以下に減少していました。この変化も、副交感神経機能の亢進を示唆する生理的反応と考えられます。

15. 施術前後の安静5分間の心拍変動周波数解析の結果です。症状良好な時はHFがより高値でした。

16. 症状良好の際には施術後の呼気時最小瞬時心拍数は平均45.8bpmまで減少しました。

17. 深呼吸については、西條ら、早野らなどの報告を基に、6項目について指導しました。

18. 初回の深呼吸トレーニングにおける瞬時心拍数および腹式呼吸の呼吸曲線の推移です。深呼吸5回を5セッ

ト、座位で実施しました。赤枠が深呼吸です。呼吸性洞性不整脈のパターンは安定しているとは言い難い状態

です。4回目、5回目の呼気時に大きく息を吐こうとしていることが認められますが、呼気時最小瞬時心拍数

が増加していくことも認められます。これは交感神経機能の亢進です。

西條らによるインデラール投与における深呼吸実験では、呼気における最小瞬時心拍数の変化は消失すると

報告しています。

19. 25回目には腹式呼吸上段、胸式呼吸下段を想定して測定をしました。明らかに腹式呼吸が優位であり、呼

吸性洞性不整脈が認められます。しかし、安静座位の瞬時心拍数は安定した推移とは異なり、心拍数の変動

が不規則であり、安定性に欠けていました。

20. 27回目には安静時の呼吸曲線が明らかに乱れています。前日に睡眠不足があったとの申告がありました。

21. 37回目には、非常に安定してきました。深呼吸の赤枠はほぼ一定。呼気時最小瞬時心拍数もほぼ一定に推

移。胸式呼吸よりも腹式呼吸の方が大きく一定した呼気5回、また呼吸性洞性不整脈も安定しており、安静

時心拍数は座位でほぼ60bpm以下で推移しています。

22. 41回目もほぼ同様です。

23. 202568日から1019日までの4か月半14回における施術前後の臥位および施術後座位の収縮期

血圧、拡張期血圧、心拍数です。

24. 2025年の68日に確認した服薬は2剤、および座位14回の平均血圧は、収縮期血圧115mmHg / 拡張

期血圧78Hg, 平均心拍数61bpmでした。

25. 本症例では、交感神経機能を抑制する鍼施術と、副交感神経機能を賦活する深呼吸の併用により、本態性

高血圧の改善に寄与した可能性が示唆されました。
ただし、本報告は単一症例に基づくものであり、汎用性や再現性の観点からは限界があります。今後は、同様の症例を積み重ねることで、介入の有効性および適用範囲についてさらに検証を進めていく必要があります。引き続き、臨床的観察と評価を継続してまいります。以上です。

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